医師が転職や転科をする理由とは?
医師は、前期研修医のスーパーローテーションを終え、その後、後期研修医になる頃には、自分が進むべき科目を決めなければいけません。
そこから長い医師としての人生が始まるわけですから、自分がどの科目で生きていくかということが、若手医師が最初にぶつかる壁ではないでしょうか?
もちろん医師を志した時から、希望する科目がなんとなく決まっているという医師も少なくはありませんが、皆が皆明確な進路が見えているわけではないのです。
そういった事情から、選んで見たものの別の診療科の知識が必要だと感じたり、そもそも自分には合わないと感じることはそう珍しいことではありません。
実際に医師として働く人の30%ほどの人は、一度は転職や転科を考え実行しています。
ここではそんな医師の転職・転科する事情について触れて見たいと思います。
医師の転科には様々な理由がある
それでは医師の転科について、具体的な例を交えてみていきましょう。
開業に向けて整形外科の知識が必要になる
これは内科で勤務していた医師に多いですが、開業を視野に入れた場合に、内科と整形外科という看板を出したいという医師は多いです。
これまで内科の専門医として勤務して来ても、開業を視野に入れると、やはり整形外科が必要に感じるため、整形外科に転科をします。
しかし、あくまでも開業のためと割り切っているので、整形外科医としてどっぷり働くわけではなく、整形外科病院にアルバイトに行くという医師も少なくありません。
また、この反対もあり、整形外科医が開業を視野に入れて、内科に転科する場合もありません。
これも理由は同じで、開業した時に整形外科と内科という看板を出したいという目的があります。
精神科への転科は医師の転科で多くの割合を占める
医師の転科で多いのは、内科などから精神科への転科をすることです。
これには、様々な理由がありますが、医師として勤務していると、全てが自分の専門医領域の仕事で賄えるわけではありません。
時には、領域が曖昧な患者さんを見ることもあります。
中でも精神科領域というのはとても幅広く、内科領域にも精神疾患が絡んでいる病態が多いです。
そういった時に、精神科領域の知識習得に必要性を感じ、精神科への転科を希望する医師が多いというわけです。
一日中案外多忙な内科医師の仕事について
内科医の1日を紹介します。外来診察が始まる前は、病棟に行き受け持ち患者さんの容体などを確認していきます。
また受け持ち患者の検査などの指示を出してから外来に向かいます。午前中はほぼ外来診察で時間が過ぎていきます。
外来診察中でも病棟からは検査や投薬などについて様々な問い合わせがあります。
午前の診察が終わり休憩に入る前に再度、病棟に行き打ち合わせを行います。そしてお昼休みを取ろうとすると救急車の受け入れがあり呼ばれるため時間がなくなります。
午後からは近隣の病院での出張診療があるため病院を不在にします。病院を不在にしている間も薬剤部や栄養課から連絡があったり打ち合わせを行いながらの移動になります。出張先の病院に着いてからは再び診察が始まります。
内科医が不在な地域だと外来待合室から溢れるほど患者さんが来院されるため診療が終了する時間は夕方になります。
その後は報告書を作成し病院んへと帰ります。帰ってからは研修医指導や病棟に入り受け持ち患者さんの容態を確認し検査データなどを確認していきます。
それらがすべて終わり帰宅しようとすると救急車が来て呼び出されたりということが多いです。そんなかんなで家に帰るのは9時過ぎなどになることがほとんどです。帰宅してからは自分の勉強をしていたり学会での発表準備をしたりします。
夜中になってからは受け持ち患者の容態急変などで呼び出されて病院で朝を迎えるということが月に数回はあります。
医師の数が多くて救急科のある大きな病院では負担はもう少し少ないですが地方の小さな病院ではこのような仕事です。外来が休診の時には病棟で回診業務や検査、処置などを行いながら今後の計画を作成したりしているというのが現状です。